“かひ/″\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
甲斐々々71.4%
効々28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昨夜来たばかりの彼女は珍らしく今朝から老母に代つて早起して甲斐々々かひ/″\しくかすり鯉口こひぐちの上つ張りを着て、心持寝乱れの赤い手柄の丸髷にあねさんかぶりをして、引窓の下の薄明るいへつつひの前に
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
余念も無く蕪菜かぶなを洗ふ女の群の中に、手拭に日をけ、白い手をあらはし、甲斐々々かひ/″\しく働く襷掛たすきがけの一人——声を掛けて見ると、それがお妻で、丑松は斯の幼馴染の様子の変つたのに驚いてしまつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
幸堂氏は料理人いたばがするやうに、手拭てぬぐひたすき効々かひ/″\しくたもとを絞つて台所で俎板まないたを洗つてゐた。
めしのつけやうも効々かひ/″\しい女房にようばうぶり、しかなんとなく奥床おくゆかしい、上品じやうひんな、高家かうけふうがある。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)