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かけあふところ
申入れ八方を尋ぬるに彌七の
行方更に知れず
神鬮判斷などゝ心配する中新町よりは
度々催促に
預り殊の
外難儀なすに
依又々東堀へ
行勘兵衞へ
懸合處未だ一
向手掛りも無き由を
見捨て出行たる女なれば
持參金道具は
勿論離縁状まで出す事はならぬと
云張誠に
困り
果たる
故其
儘捨ても置れず
故意々々出府して
自身掛合處に
聟は
大馬鹿なり
舅の五兵衞は何日行ても一寸とも
會ず唯店の久兵衞と云者ばかり一人彼是云て何れにも
埓が
明ず尤も向うが何樣に
惡敷とも親亭主を