“あんしつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
庵室83.3%
暗室8.3%
暗湿2.8%
菴室2.8%
闇室2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして初めは不快に思はれた、粗野なその家が、日をふるに従つて、どこか彼の身についた片田舎の庵室あんしつのやうに思はれた。
(新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
室内は、暗室あんしつになっていた。ただ桃色ももいろのネオンとうが数箇、室内の要所にとぼっていて、ほのかに室内の什器や機械のありかを知らせていた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一夜のうちに、観月の楼台うてなの夢は、暗湿あんしつ奈落ならくの穴の、現実と変った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ我が老いたる親ならび菴室あんしつに在り。我を待つこと日を過さば、自ら心をいたむる恨あらむ。我を望みて時にたがはば、必ずめいうしななみだを致さむ。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
〔譯〕人は皆身の安否あんぴふことを知つて、而かも心の安否を問ふことを知らず。宜しく自ら能く闇室あんしつあざむかざるやいなや、能く衾影きんえいぢざるや否や、能く安穩あんおん快樂くわいらくを得るや否やと問ふべし。