にはとり)” の例文
新字:
重太郎兄さんは朝寢好きで、房松兄さんはにはとりのやう早起きで、一方は弱蟲で一方は巖乘で、一方は金づかひが荒くて、一方はケチで
卯平うへい勘次かんじとのあひだ豫期よきしてごとひやゝがではあつたが、丁度ちやうど落付おちつかない藁屑わらくづあしいてはにはとり到頭たうとうつくるやうに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
にはとりおどろいて、きりしたあたまをさげて友伯父ともをぢさんのはうんでました。そして、かみつてもらつて友伯父ともをぢさんのわききました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それからまたしづかになつた。そととほ護謨車ごむぐるまのベルのおとが二三つたあとから、とほくでにはとり時音ときをつくるこゑきこえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
けれども先生せんせい其家そのいへかこ幾畝いくせかの空地くうちみづからたがやして菜園さいゑんとし種々しゆ/″\野菜やさいゑてます。また五六羽ごろつぱにはとりふて、一もちゆるだけのたまごつてます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
まだいとけなき少年の頃よりして、この故しらぬ靈魂の郷愁になやまされた。夜床はしろじろとした涙にぬれ、明くればにはとりの聲に感傷のはらわたをかきむしられた。
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
御神輿おみこしはしらの、かざり珊瑚さんご𤏋ぱつき、ぎんすゞ鳴据なりすわつて、鳳凰ほうわうつばさにはとりのとさかが、さつあせばむと、彼方あつち此方こつちさま團扇うちはかぜなみに、ゆら/\とつて
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うまほか動物どうぶつぞうには、うしだとかさるだとかゐのしゝだとか、またかもにはとりなどもあり、なか/\面白おもしろいです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
日本につぽんきつね日本につぽん固有こゆうのものでやまあなんでゐます。からだ二尺にしやくぐらゐでながく、からだの半分はんぶん以上いじようもあります。食物しよくもつおも野鼠のねずみですが、人家じんかちかいところではにはとりなどをかすめることもあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
口に當ると思ふトにはとりなくをなす其の妙なること二三度は誠のとりと聞捨て四五度目に至り怪しや人家なき此の山中にと氣付きて始めて此男のいたづらと知りしなり東京に猫八とて犬猫よりとり烏の眞似を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
好むことはにはとりにもたりと云程のことなれば近來ちかごろ家内かない不取締ふとりしまりは勿論なり故に何事によらず番頭久兵衞が一人にて宜樣よきやう掻廻かきまはして居ければ終に又昔しの惡心あくしん再發さいはつなし此度文右衞門がしちの一件とても己が氣儘きまゝに取計らはんとし又主人の金子百兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ふくろつばめにはとり
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
とうさんはそのあたらしい草履ざうりをはいたあしで、おうち臺所だいどころそとあそんでにはとりきました。おほきな玉子たまごをよくとうさんに御馳走ごちさうしてれたにはとり
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そつとけて這入はひつてると、自分じぶんうちながらおつぎはひやりとした。とやにはとりくらなか凝然ぢつとしてながらくゝうとほそながめうこゑした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
やまきよくかんにして、赤城あかぎしたにはとりくのをぽかんといて、うつとりとしてゐると、なゝめさがりのさかした、あまざけやのまちかどへ、なんと、先生せんせい姿すがた猛然まうぜんとしてあらはれたらうではないか。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みづんだところでは、はりさき雷鳥らいちよう羽毛うもうかそれがなければ、にはとり羽毛うもうでもくゝりつけておろすとれます。にごつてるところではづりをするのですが、竿ざをなが丈夫じようぶなものがいゝようです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
家家の戸の外で鳴いてゐるのはにはとりです。
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
あのめられたくびしろくしまして、はねをむしられるにはとりますと、とうさんはおなかなかでハラ/\しました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
にはとりつめあと其處そこあたらしいつちらしてあつた。おしなつちあつめて草履ざうりそこでそく/\とならした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
家家の戸の外で鳴いてゐるのはにはとりです
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
としにはとりこゑなみおと
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
家鴨あひるにはとりによく似てゐて
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
わたしは田舍のにはとりです
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
わたしは田舍のにはとりです
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)