黒鶫くろつぐみ)” の例文
基経は先刻から黒鶫くろつぐみの去らぬこずえの姿を見ていたが、この機会をいっしてはならぬと、突然、基経は鶫を指差していった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「おい。二十四匹の黒鶫くろつぐみ封じ込まれてパイの中。というマザア・グウスの童謡があるが、この玉子焼きなら三、四十匹の二十日鼠は棲めそうだな。いささか非常識だね。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
南の正面には高い松の木が二本あって、春は黒鶫くろつぐみ小綬鶏こじゅけいが来ていた。
下りたちにける黒鶫くろつぐみどり
寒林小唱 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
あれ、藪陰やぶかげ黒鶫くろつぐみ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
黒鶫くろつぐみ野辺にさへづり唐辛子たうがらしいまし花さく君はいづこに
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あれ、藪陰やぶかげ黒鶫くろつぐみ
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
うづら文鳥ぶんてう黒鶫くろつぐみ
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
鶉に文鳥に黒鶫くろつぐみ
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)