“黒鶫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くろつぐみ90.0%
アムゼル10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
基経は先刻から黒鶫くろつぐみの去らぬこずえの姿を見ていたが、この機会をいっしてはならぬと、突然、基経は鶫を指差していった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「おい。二十四匹の黒鶫くろつぐみ封じ込まれてパイの中。というマザア・グウスの童謡があるが、この玉子焼きなら三、四十匹の二十日鼠は棲めそうだな。いささか非常識だね。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
黒鶫アムゼルの高音が短笛ピッコロのように鋭い、あのアッフレタンドの旋律だけでもどう聞いても平原の調ではない——こうして夜はほのぼのと明けてゆく
湖に浮く朝靄と見分けがたい炊煙すいえんが青葉に包まれた村のあちこちにも棚曳く頃には、黒鶫アムゼルはいつか城跡の森へ飛び去って、木立の奥から遠くかすかに「エコー」のように、その旋律がくり返される。