鳥冠とさか)” の例文
「それはその山男がたべるのです。まだこのほかに豚の尻尾と七面鳥の足と、鶏の鳥冠とさかと牛の舌も買って来いと云いつけられました」
豚吉とヒョロ子 (新字新仮名) / 夢野久作三鳥山人(著)
孔雀はその前の年に雌に死別れた男鰥をとこやもめだつたのに、雌鶏めんどりには一向見向きもしないで、鳥冠とさかあか雄鶏をすばかりをつけ廻してゐた。
うなじを白く、銅像に前髪をバラリと振った。下唇の揺れるような、鳥冠とさか緋葉もみじを、一葉ひとはぬいて、その黒髪に挿したと思うと
そこからは頻りに、いやな悪臭がただよって来る、——彼の頭は胸に深くちぢこめられて、その恰好は、鈍い灰色の羽毛の、黒い鳥冠とさかの奇妙な鳥のようにも見えた。
そうすると、お腹の中に残っている鉄のさびがスッカリ抜けてしまうのだ。それから豚の尾と牛の舌と、鶏の鳥冠とさかと七面鳥の足で第一等の料理を作ってくれ
豚吉とヒョロ子 (新字新仮名) / 夢野久作三鳥山人(著)
玉子なりの色の白い……このものがたりの土地では鶴子饅頭つるのこまんじゅうと云うそうである、ほっとり、くるりと、そのやや細い方をかしらに、のもみじを一葉ひとは挿して、それが紅い鳥冠とさかと見えるであろうか?
「それは申し上げられません。どうぞお金はいくらでもあげますから、玉葱の皮と、葱の白いヒゲと大根の首と、豚の尻尾と、七面鳥の足と、牛の舌と鶏の鳥冠とさかとを売って下さい」
豚吉とヒョロ子 (新字新仮名) / 夢野久作三鳥山人(著)
……(運八が銀の鶏……ではあれども、職人がしらは兄弟分、……まず出来た。この形。)と雪を、あの一塊ひとかたまり……鳥冠とさかひねり、くびを据え、翼をかたどり、尾をしごいて、丹念に、でも、あらづもりの形を。