高誼こうぎ)” の例文
枕山は「アヽ上人ノ先考ニオケルヤ半面ノ識アルニ非ズ。シカモ高誼こうぎかくノ如シ。あに不肖余ノ故ヲ以テニアラズヤ感歎ニ堪ヘズ。」
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
貸して賜われた。ひとえ仏陀ぶっだ衆生しゅじょうのためとは申せ、浅からぬご法縁、たとえ法然、遠国に朽ち果てようとも、ご高誼こうぎのほどは忘れませぬぞ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
爛柯亭様御在世中は一方ひとかたならぬ御高誼こうぎあずかったことであるが、貴女様には今日まで拝芝はいしの栄を得ず、失礼致しておる、然るところ先般はまことに御親切なる御書面をいただ
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
めては世間並せけんなみ真人間まにんげんにしなければ沼南の高誼こうぎに対して済まぬから、年長者の義務としても門生でも何でもなくても日頃親しく出入する由縁ゆかりから十分訓誡して目を覚まさしてやろうと思い
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
と、しばらくの逗留とうりゅうを頼み、関羽も姓名や郷地を名乗って、将来の高誼こうぎを仰いだ。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)