騙取かたり)” の例文
押借おしが騙取かたりの度胸も持合わせず。賭博、相場の器用さなど、夢にも思い及ばぬまま、三日すれば止められぬ乞食根性をそのまま。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
屠犬児は天窓あたまきて、「むこうがおめでたいだけにちっとは冥利みょうりわりいようだ。はて、てい騙取かたりじゃねえか。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あづけたあづからないのあらそひになつたところが、出入でいりの車力しやりき仕事師しごとし多勢おほぜいあつまつてて、此奴こいつ騙取かたりちがひないとふので、ポカ/\なぐつておもて突出つきだしたが、証拠しようこがないから表向訴おもてむきうつたへることが出来できない。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)