首領しゅりょう)” の例文
「おれたちは、なんにも知らねえ。ただのやといにんだよ。首領しゅりょうはとっくに、にげてしまった。おまえさんがたにつかまりっこはねえよ」
怪人と少年探偵 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
首領しゅりょうウルスキーは、それッとワーニャに目くばせをして、今のうちに、奥まった隅にある衝立の蔭を見ておけと合図あいずをした。
見えざる敵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「あの女には、たえず、覆面の首領しゅりょうの眼がついているはずだ。一刻たりと、見張を抜いたのは大きな手ぬかり。或いはもう遅いかも知れんぞ」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いわんやその国に一個の首領しゅりょうを立て、これを君としてあおぎこれを主としてつかえ、その君主のために衆人しゅうじんの生命財産をむなしうするがごときにおいてをや。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
わたしはしぜんかれらの首領しゅりょうではあったが、この重大な場合に当たって、かれらに死生をともにすることをのぞむだけの威望いぼうりないことを感じていた。
「われわれ十五人の少年連盟の首領しゅりょうとして、われわれが選挙する人物は、われわれのうちでもっとも徳望とくぼうあり、賢明けんめいであり、公平であるところのゴルドン君でなければならん」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
もし首領しゅりょうがとらえられたならば、その部下のものが、ぬすみためた宝物を、どんなふうに処分してしまうか、知れたものではないからです。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
当時決死けっしの士を糾合きゅうごうして北海の一隅いちぐうに苦戦を戦い、北風きそわずしてついに降参こうさんしたるは是非ぜひなき次第しだいなれども、脱走だっそうの諸士は最初より氏を首領しゅりょうとしてこれをたの
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
つれこまれた伊那丸いなまるは、やがて、首領しゅりょうの小角の前へでた。獣蝋じゅうろうしょくが、まばゆいばかりかがやいている大広間は、あたかも、部将ぶしょうの城内へのぞんだような心地がする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年少組はバクスターを首領しゅりょうにして、ヴィクンヤなどを入れておく小舎こやを建てることにむちゅうになった、小舎はサクラ号から持ってきた板をもってつくり、屋根は松やにをった油布あぶらぬのをもっておおい
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「きみは首領しゅりょうだから学級の総監督そうかんとくをすればいいのだ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)