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餌壺
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えつぼ
ふりがな文庫
“
餌壺
(
えつぼ
)” の例文
大きな
鉄製
(
かねせい
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
に、陶器でできた
餌壺
(
えつぼ
)
をいくつとなく外から
括
(
くく
)
りつけたのも、そこにぶら下がっていた。その隣りは皮屋であった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
文鳥は気でも違ったように、小さい
翼
(
つばさ
)
をばたばたやる。その
拍子
(
ひょうし
)
にまた
餌壺
(
えつぼ
)
の
黍
(
きび
)
も、鳥籠の外に散乱する。が、男は面白そうに、ただ敏子を眺めていた。
母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
餌壺
(
えつぼ
)
に
餌
(
えさ
)
を入れてやると、いきなり
嘴
(
くちばし
)
の先でとびかかって、あたり一面に
撒
(
ま
)
き散らしてしまう。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
水入
(
みずいれ
)
も
餌壺
(
えつぼ
)
も
引繰返
(
ひっくりかえ
)
っている。
粟
(
あわ
)
は一面に縁側に散らばっている。留り木は抜け出している。文鳥はしのびやかに鳥籠の
桟
(
さん
)
にかじりついていた。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
籠の底に飛び散る粟の数は幾粒だか分らない。それでも
餌壺
(
えつぼ
)
だけは
寂然
(
せきぜん
)
として静かである。重いものである。餌壺の直径は一寸五分ほどだと思う。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
餌壺
(
えつぼ
)
には
粟
(
あわ
)
の
殻
(
から
)
ばかり
溜
(
たま
)
っている。
啄
(
ついば
)
むべきは一粒もない。水入は底の光るほど
涸
(
か
)
れている。西へ廻った日が
硝子戸
(
ガラスど
)
を洩れて斜めに籠に落ちかかる。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
餌
常用漢字
中学
部首:⾷
15画
壺
漢検準1級
部首:⼠
12画
“餌”で始まる語句
餌
餌食
餌取
餌箱
餌物
餌差
餌付
餌差町
餌料
餌肉