頬片ほっぺた)” の例文
口惜くやしくってたまらないからおあさの足へかじり付きますと、ポーンとられたから仰向あおむけ顛倒ひっくりかえると、頬片ほっぺたを二つちました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
細君はうれしそうに自分のそばている赤ん坊の顔を見た。そうして指の先で小さい頬片ほっぺたつっついて、あやし始めた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と云いながら、側にあったえのきの根株へ頬片ほっぺたこすり付けますから悪者は痛くてたまりません。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
金を持ってるから出せなんと云って私の頬片ほっぺためやアがったから、其奴そいつ横面よこつらった処が、脇差を抜いたから、私は一生懸命に泥坊/\と云って逃げる途端に、足を踏外して此処へおっこちたんだ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)