青物あおもの)” の例文
一昨年も唯十分か十五分の間に地が白くなる程降って、場所によっては大麦小麦はたねも残さず、桑、茶、其外青物あおもの一切全滅した処もある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その後の四段に分れた白木の棚の上には、野の青物あおものが一段に、山の果実と鳥類とが二段目に、はえかじかこいなまずの川の物が三段に、そうして、海の魚と草とは四段の段に並べられた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
さびしいいなかながら、えき付近ふきんまちらしくなっていました。たばこをみせがあり、金物かなものをならべたみせがあり、また青物あおものや、荒物あらものなどをみせなどが、ぼつり、ぼつりとられました。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いえいえあいだ通路つうろとなっている路地ろじしか、子供こどもたちにとって、あそがなかったのを、ようやく、青物あおものまわり、家庭菜園かていさいえんなどというものがかげしてから、ふたたび、いままでのごとく
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)