雜物ざふもつ)” の例文
新字:雑物
「全く不思議だよ。晝飯が濟んだばかりの腹へ、よくもさう雜物ざふもつが入つたものだと思ふと、俺は不思議でたまらねえ」
あがなふには首代くびだいと云ふ事あり先達せんだつて其方伯母より借たる雜物ざふもつは富松町質屋六兵衞方にて五十兩借請かりうけ其金を以て小間物荷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
モイセイカは今日けふ院長ゐんちやうのゐるために、ニキタが遠慮ゑんりよしてなに取返とりかへさぬので、もらつて雜物ざふもつを、自分じぶん寐臺ねだいうへあらざらひろげて、一つ/\ならはじめる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いや、ガラツ八は早くもこの襲撃を察し、床の中には枕と座蒲團と雜物ざふもつを入れ、自分は後ろの戸棚の蔭に隱れて、神田中に響き渡るやうな聲を出したのです。
はき是れどうしても泥棒どろぼうと云ふ看板かんばんを掛て居る樣なものだサア此方へ來いと直樣坂本の自身番へ引上しに出役岡村七兵衞馬籠まごめくら十郎の兩人ひかへ居る前へ久兵衞を引きすゑまづ雜物ざふもつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)