雜作ざふさ)” の例文
新字:雑作
そこでけたはなし腹藏ふくざうなく主人しゆじんにすると、主人しゆじん成程々々なるほど/\いてゐるだけであつたが、仕舞しまひ雜作ざふさなく
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
セント・ジョンは——壁に掛つてゐるすゝけた繪姿のやうに坐つたまゝ、讀んでゐる本に眼を据ゑ、唖のやうに唇をつぐんでゐたので——觀察するのには雜作ざふさもなかつた。
勿論もちろんこれ雜作ざふさことですが、れには別室べつしつ修繕しうぜんえうすると其事そのことです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
もし彼が生きた人間でなくて一個の塑像であつたとしてもこれ以上に雜作ざふさなく觀察されはしまい。彼は若かつた——多分二十八から三十までの間だらうか——背が高くすらりとしてゐる。