ろう)” の例文
人は何人も向上的精神に依りて生活している者であれば、ろうを得てしょくを望むということがすべての成業者の成業の道程である。
現代学生立身方法 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
ろうを得て、またすぐ何か、蜀を望まん。わが軍の人馬も疲れている。まあ、もうすこし休息させる必要もあろう」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ろう西の李徴は博學才穎さいえい、天寶の末年、若くして名を虎榜こぼうに連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃む所頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかつた。
山月記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
ろうしよくのぞむは人情にんじやうつねなるかも、ひやくいたればせんをとねがせんにいたればまたまんをと諸願しよぐわんやすときなければこゝろつねやすからず、つら/\おもへば無一物むいちぶつほど氣樂きらくなるはあらざるべし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「鮒の雀燒を喰ふと、また雀の鮒燒きが喰ひたくなつた。ろうを得てしよく……」
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)