門々かどかど)” の例文
門々かどかどの松は除かれて七八日ななやうかも過ぎぬれど、なほ正月機嫌きげんの失せぬ富山唯継は、今日も明日あすもと行処ゆきどころを求めては、夜をに継ぎて打廻うちめぐるなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
北のかたを始め、わたくしどもまで心を痛めて、御屋形の門々かどかど陰陽師おんみょうじ護符ごふを貼りましたし、有験うげん法師ほうしたちを御召しになって、種々の御祈祷を御上げになりましたが
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
別当所の前も、山門の両わきにも、大篝火おおかがりをどかどかといていた。門前町の家ごとには、門々かどかど松明たいまつをつけて、何千尺の山の上も、昼をあざむくばかりだった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あつしあつしと門々かどかどの声
天狗 (新字新仮名) / 太宰治(著)