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鐚一文
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びたいちもん
ふりがな文庫
“
鐚一文
(
びたいちもん
)” の例文
彼女は長年の訓導生活で万金のヘソクリがあるからそれを見こんで庄吉が騙しにくるのだけれども、もう
鐚一文
(
びたいちもん
)
やらないことにしている。
オモチャ箱
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
しかし、それにしても、わしからは
鐚一文
(
びたいちもん
)
取れるわけじゃないんだから。わしはな、アレクセイさん、この世にできるだけ長く暮らすつもりですよ。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「どうもさっきから妙にごまをすると思ったら果してこれだ、ならん、もうおまえには騙されん、理由のいかんに拘わらず
鐚一文
(
びたいちもん
)
ださぬからそう思え」
明暗嫁問答
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
無くなると有る奴を
嫉
(
そね
)
んで、あんな騒ぎを持ち上げる、あんなのを増長させた日には、
真面目
(
まじめ
)
に
稼
(
かせ
)
いでいる者が災難だ、わしは
鐚一文
(
びたいちもん
)
もあんなのに出すのは御免だ
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
道端に乞食が一人しゃがんで
頻
(
しき
)
りに
叩頭
(
ぬかず
)
いていたが誰れも慈善家でないと見えて
鐚一文
(
びたいちもん
)
も奉捨にならなかったのは気の毒であった。これが柴とりの云うた新坂なるべし。
根岸庵を訪う記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
「じょ、冗談じゃない。札束なんか入ってるもんですか。
鐚一文
(
びたいちもん
)
も入っちゃいませんでしたよ」
五階の窓:03 合作の三
(新字新仮名)
/
森下雨村
(著)
まして私ごとき
鐚一文
(
びたいちもん
)
の関係もない
一介
(
いっかい
)
の僧侶が、国際上の事に関係したかのように思わるるのは
味気
(
あじけ
)
なき事と、余りの事に私は
呆
(
あき
)
れ果てて
暫
(
しばら
)
く何もいわずに居ったです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
私
(
あっし
)
あ
鐚一文
(
びたいちもん
)
世話になったんじゃあねえけれど、そんなこんなでお
前
(
めえ
)
、その
少姐
(
ねえさん
)
が大の
贔屓
(
ひいき
)
。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いや、金はもう、老先生には
鐚一文
(
びたいちもん
)
出しません。失くなすのは判っているんだから。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
私は甥のリケットと、死んだグヰンとを一緒にする事に反対はしなかったが、
良夫
(
おっと
)
は何故かグヰンを
酷
(
ひど
)
く嫌っていて、そんな女と結婚するなら
鐚一文
(
びたいちもん
)
もやらぬ、といっておりました。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
わたしのところでは
鐚一文
(
びたいちもん
)
だってとれないんだよ、うちの商人にもそういっておいたから(あのかたはサムソノフ老人のことを『うちの商人』と申されますので)
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
貧窮組なんぞへ入る人間は一人もねえんだとよ、そんなところへ出す銭は
鐚一文
(
びたいちもん
)
もねえんだとよ、みなさん方に了簡がおありなさるなら了簡通りになさいましと
吐
(
ぬか
)
したぜ。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
もう
鐚一文
(
びたいちもん
)
やらないことにしてゐる。
オモチャ箱
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
が、今度という今度は、フョードル・パーヴロヴィッチにも
鐚一文
(
びたいちもん
)
とることができなかった。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
“鐚一文”の意味
《名詞》
金属の質が悪い一文銭。
わずかな金額または金銭。
(出典:Wiktionary)
鐚
漢検1級
部首:⾦
20画
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
文
常用漢字
小1
部首:⽂
4画
“鐚一”で始まる語句
鐚一銭