“鏡玉(レンズ)” の例文
が、その頃から、鏡玉(レンズ)が室(へや)の温度に馴れ、やっと靄が霽(は)れはじめてきました。と、灌水(シャワー)のひらいた、夕立のような音がする。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
私は懐中拡大鏡の力をかりて彼に、仰向けに置かれると飛び上る叩頭虫(こめつきむし)の、奇妙な構造を見せていた。この構造を調べるには鏡玉(レンズ)が必要である。
英(えい)國製(せい)で、シイ・テツサア四・五鏡玉(レンズ)、千百六十分の一秒(べう)まで利(き)くシヤツタア付の、手札(ふだ)形(かた)レフレツクス、素(しろ)人用(よう)としては殆(ほとん)どこの上ないものといつて差支(さしつか)へないのだが
現に、伊太利(イタリー)の十八世紀小説の中にですが、凸凹(でこぼこ)の鏡玉(レンズ)を透して癩患者を眺めたとき、それが窈窕(ようちょう)たる美人に化したという話もあるとおりで……。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼等の中の二人が大きな眼鏡をかけていたが、私はその鏡玉(レンズ)を色硝子(ガラス)だろうと思っていた。