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鍔際
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つばぎわ
ふりがな文庫
“
鍔際
(
つばぎわ
)” の例文
あわや絶体絶命の
鍔際
(
つばぎわ
)
になったときに、伜の兄が弟に眼くばせをして、素知らぬ顔でその竈に火を焚き付けてしまった。いや、どうも怖ろしい話です。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ブルッと彼は
身顫
(
みぶる
)
いしたが、みるみる精気が全身に充ちた。と刀が
鞘
(
さや
)
走り、その切っ先から
鍔際
(
つばぎわ
)
まであたかも氷の棒かのように、月の光に白み渡ったが
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
愛蔵の来国俊の
鍔際
(
つばぎわ
)
から、美濃紙八つ切の紙が一枚、半分ほどを
紙縒
(
こより
)
にしたのがヒラヒラとブラ下って、その紙の端っこの方に、最も職業的な悪達者な文字で「見切物」と三字
銭形平次捕物控:246 万両分限
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「うぬの命の
鍔際
(
つばぎわ
)
にゃァ主の首まで打つじゃまで、だ。」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「本郷の殿様」は
顫
(
ふる
)
える左手で、刀の
鍔際
(
つばぎわ
)
をひっつかんだ。眼では老儒者を睨んでいる。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
と、
鏘然
(
しょうぜん
)
たる太刀の音、はじめて広太郎抜き合わせ、危く
鍔際
(
つばぎわ
)
で受けたらしい。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
鍔際
(
つばぎわ
)
を握った左の手が、ガタガタ
顫
(
ふる
)
えているらしい。刀の
鐺
(
こじり
)
が上下して見える。
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
セセラ笑いを洩らしたが、それでも左手を
鍔際
(
つばぎわ
)
へやると軽く鯉口をくつろげた。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そういう鈴江を守るようにして、鈴江とすれすれに肩を並べ、大小の
鍔際
(
つばぎわ
)
をおさえながら五十嵐駒雄は走っていた。出来事が出来事であるがために、無駄な駄弁などを
弄
(
ろう
)
そうともしない。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
大小の
鍔際
(
つばぎわ
)
引っ抱え十間余りも走り抜ける。この時またも呼子の
音
(
ね
)
が
背後
(
うしろ
)
に当たって鳴り渡ったが、とたんに両側の
人家
(
いえ
)
の屋根から大小の梯子幾十となく、甚内目掛けて落ちかかって来た。
三甚内
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「世辞にもうまいとは云えねえなあ。力はある、そいつは認める、太刀さばきは落第だぜ。
鍔際
(
つばぎわ
)
をしっかり、握った握った、それから浮かすのよ、
柄頭
(
つかがしら
)
をな。解ったらもう一度切り込んで来い!」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
鍔
漢検準1級
部首:⾦
17画
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
“鍔”で始まる語句
鍔
鍔元
鍔広
鍔音
鍔鳴
鍔競
鍔迫
鍔口
鍔甚
鍔廣