金満家きんまんか)” の例文
旧字:金滿家
だツて紳士程しんしほど金満家きんまんかにもせよ、じつ弁天べんてん男子だんし見立みたてたいのさ。とつてると背後うしろふすまけて。浅「ぼく弁天べんてんです、ぼく弁天べんてんさ。 ...
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
華族の金満家きんまんかへ生れて出て、恋煩こいわずらいで死ぬ、このくらいありがたい事はありますまい。恋はかなう方がさそうなもんですが、そうすると愛別離苦あいべつりくです。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうだろう、お前の銀貨は、一つが二つになった。えらい金満家きんまんかだ。終りよければすべてよしだがね、いっといてあげるが、お金はしあわせの元手もとでじゃないよ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
たとえば永く浪人しておった人が、仕官のにつき久しぶりにかねを手にすると、金満家きんまんかになったような気がして、一月分の月給で友人を招いて一晩に飲んでしまう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
なるほど如何なる贅沢家ぜいたくか金満家きんまんかもこれだけの御馳走を揃える事は容易に出来ないでしょう。してみると美味うまい物を食べるのは金力ばかりでありません。全く食物上の智識の力ですね。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
如何いかに英仏その他の国々に金満家きんまんかが多いとて、他国の地面をかって城を築くような馬鹿気ばかげた商人はありますまいと答えて、双方共に要領を得ぬ様子で、私共は之を見て実に可笑おかしかったが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
玉村商店宝石部の第一等の得意先に、牛原耕造うしはらこうぞう氏という金満家きんまんかがあった。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)