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酷似
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そっくり
ふりがな文庫
“
酷似
(
そっくり
)” の例文
酷似
(
そっくり
)
といえば、塚の左手、遙か離れた所に、植え込みが立っていて、それが雑木林に見えるのも、あの場所の景色とそっくりであった。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
奴
(
やっこ
)
さん、宮岡警部に写真
酷似
(
そっくり
)
に変装してやがった。二人宮岡警部が出来ちゃって、どっちが
真物
(
ほんもの
)
だか分らなかった。そのために遂々捕え損ったんだそうだよ
黒猫十三
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
「この二人の死人は、眼付が
酷似
(
そっくり
)
ですね……ひょっとすると、死際に同じものを見たんじゃないでしょうか」
見開いた眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「ちょっとも似たとこが無いぢゃないかな! あの子は! お咲さ
酷似
(
そっくり
)
の顔しとる!」
夏蚕時
(新字旧仮名)
/
金田千鶴
(著)
乃公はびくともせずに歩いていると、前の方で一群の子供がまた乃公の噂をしている。目付は趙貴翁と
酷似
(
そっくり
)
で、顔色は皆
鉄青
(
てっせい
)
だ。一体乃公は何だってこんな子供から怨みを受けているのだろう。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
▼ もっと見る
それと云うのも石像の顔が、
光明優婆塞
(
こうみょううばそく
)
と
酷似
(
そっくり
)
だからである。実際それを行者と云うには、余りにその顔は悲しそうであった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
子供は
此方
(
こっち
)
へ振りむいた。今まで炉の前にしゃがんでいたのが、
燈火
(
あかり
)
を
真正面
(
まとも
)
にうけてひょいと
起
(
た
)
ちあがったところを見ると、それが
背高
(
のっぽう
)
のジャッケに
酷似
(
そっくり
)
ではないか。
生さぬ児
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
それは品の好いしかも非常に美しい、それでいて私の
死
(
な
)
くなった妻に
酷似
(
そっくり
)
なのです。
消えた霊媒女
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
彼女
酷似
(
そっくり
)
の踊り子を彼女そのものに仕立て上げ、換え玉として城内へ残し、彼女だけ抜け出そうというのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
頭が混乱していた……変化……それに
酷似
(
そっくり
)
の顔……あの青年の告白……私は静かに坐って、
思想
(
かんがえ
)
を纏めようと努めたが、眼はひとりでに書架の上の骸骨の方へ惹付けられていた。
誰?
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
余り
酷似
(
そっくり
)
なので異様な無気味さを感じた。
黒猫十三
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
「ご覧遊ばせご前様、あなたと
酷似
(
そっくり
)
の踊り子が、あれあそこで踊っております」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「不思議ですね、今のこの
女
(
ひと
)
の叫び声は旦那様のと
酷似
(
そっくり
)
でございました」
見開いた眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
桟敷の横で大篝が天を焦がして燃えているので、その光に照らされて、踊り子の群は
虹
(
にじ
)
のように輝き、
瞼毛
(
まつげ
)
の先さえ見えそうであったが、なるほど鳰鳥と
酷似
(
そっくり
)
の娘が手振り品やかに踊っていた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「人違いであった。山吹ではなかった。そうだあなたは葉之助様だ……が、それにしてもあなたのお顔があの山吹に
酷似
(
そっくり
)
とは? おお
酷似
(
そっくり
)
じゃ酷似じゃ! やっぱりお前は山吹だ!
汝
(
おのれ
)
どこからやって来たぞ!」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「色も艶も
酷似
(
そっくり
)
だ。しかしどうも織り方が違う」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
(またあのお方が通って行く。……似ている。……いいえ
酷似
(
そっくり
)
だ! ……あのお方に相違ない。……では妾はここにはいられぬ。……妾の身分があの人によって。……でもどうしてあのお方がご出家なんかしたのであろう?)
一枚絵の女
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「ああ
酷似
(
そっくり
)
だ! 後ろ姿!」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“酷似”の意味
《名詞》
酷似(こくじ)
違いが分からないほどよく似ていること。
(出典:Wiktionary)
酷
常用漢字
中学
部首:⾣
14画
似
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
“酷”で始まる語句
酷
酷薄
酷烈
酷使
酷吏
酷過
酷刑
酷命
酷待
酷目