とおざか)” の例文
以前のは一概に女の前に目も鼻もなくなって書かれた小説、近頃のは机の上で外国の小説などから暗示を得て書かれた小説、共に世相の真実にはとおざかっておるかと存じます。
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
和気かき香風のうちに、臥榻がとうを据えてその上にそべり、次第にとおざかり往くあぶの声を聞きながら、ねぶるでもなく眠らぬでもなく、唯ウトウトとしているが如く、何ともかとも言様なく愉快こころよかッたが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)