遠目鏡とおめがね)” の例文
女の行水ぎょうずいしている処を隣りの屋根から遠目鏡とおめがねのぞいている画なんぞあって面白そうだが少しも解らない、『源氏』よりは難かしいもんだと率直に答えた。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
露地が、遠目鏡とおめがねのぞさま扇形おうぎなりひらけてながめられる。湖と、船大工と、幻の天女と、描ける玉章を掻乱かきみだすようで、近くあゆみを入るるにはおしいほどだったから……
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうしていくそうかのふねくろけむりげて、ゆうゆうとしてなみうえ航海こうかいしていました。太郎たろうは、遠目鏡とおめがねで、薬売くすりうりのっていったふねえないかと、いろいろにさがしました。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
遠目鏡とおめがね 虫目鏡むしめがね 八個
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)