はづ)” の例文
健は、何十通の古手紙を出してみて、漸々やうやう一枚、消印スタンプはづれてゐる郵券を見つけ出した。そしてそれを貼つて送つた。ある雨の降る日であつた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
向うは只一度打つた切りで、それも慌てゝ狙ひがはづれました。皆山から駈け下りて来るはずみで、踏み留まる事が出来ません。それを下で待ち受けてゐたのですね。
然るに散る氣の習のある人になると、人と對話して居ても、時々人の談話を聽きはづす事が有つて、其の圓滿な功徳のある耳が、其の圓滿な功徳を保ちきらぬやうになるものである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
二人の話はモウ以前の様にはづまなくなつた。吉野が来てからの智恵子は、何処となく変つたところが見える。さればと言つて別に自分をいとふ様な様子も見せぬ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
前板や向板がはづれて、バラ/\に解體して仕舞ふやうな事も無からうし、又實質が緻密であるならば、鬆疎のもののやうに脆弱でも有るまいから、自然と傷つき損ずる事も少なかろうし
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
二町許り驅けて來ると、セイセイ呼吸がはづんで來て、胸の動悸のみ高い。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
二町許り駆けて来ると、セイセイ呼吸がはづんで来て、胸の動悸のみ高い。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
心持息をはづませて、呆気あつけにとられてゐる四人の顔をいそがしく見巡した。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
此機をはづさず自分は云つた。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
此機をはづさず自分は云つた。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)