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逢曳
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あいび
ふりがな文庫
“
逢曳
(
あいび
)” の例文
「あれは海苔漉き場だな」と私は笑いながら長に訊いた、「あのころはよく
逢曳
(
あいび
)
きに使われたようだが、いまはそんなことはないか」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
しかも二人の縁は切れないで、お近は柳島へ行った後も寺参りや
神詣
(
かみもう
)
でにかこつけて、ひそかに佐藤と
逢曳
(
あいび
)
きを続けていた。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「わかったよ、わかったよ。
河豚
(
ふぐ
)
と
間男
(
まおとこ
)
の味は忘れられない。ここで
逢曳
(
あいび
)
きするからには、わたしたちだけでいい思いをしているわけはないやね」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あれは海苔漉き場だな」と私は笑いながら長に訊いた、「あのころはよく
逢曳
(
あいび
)
きに使われたようだが、いまはそんなことはないか」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
由来、お寺の“
逢曳
(
あいび
)
き”というものは、妙に秘かな春炎と妖情を増すものだった。
釈迦
(
しゃか
)
の
経
(
おしえ
)
、
華厳
(
けごん
)
の
呪
(
まじない
)
、
真言
(
しんごん
)
の秘密。それと本能が闘って燃える。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
このあいだの晩、お鉄が両国橋の上をさまよっていたのも、身投げや心中というほどの
複雑
(
こみい
)
った問題でもなく、あるいは単に
逢曳
(
あいび
)
きの約束をきめて、あすこで男を待ち合わせていたのかも知れない。
半七捕物帳:37 松茸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「——自分の血を分けた娘と
逢曳
(
あいび
)
きをし、さんざんあまいことを云ってくどき、今夜はいっしょに寝ようとしたんですよ」
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
インキだらけな古畳と膠臭い暗がりの隅で
逢曳
(
あいび
)
きの男女のする事が行われていた。たとえぼくの
跫音
(
あしおと
)
に気づいても二人は慌てて起きることはなかった。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
逢曳
(
あいび
)
きを目的に来る客が少なくないから、たとえ泊らないにしても、それに応じた造りの小座敷や、必要な支度の揃っていることは通例であった。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
が、こんな
逢曳
(
あいび
)
きが、世間誰にもわからずに、永続きするはずはなかった。いつしか二人の密会は近所
合壁
(
がっぺき
)
の
私語
(
ささやき
)
となっていたが、知らぬは亭主の武大ばかり……。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
水上と土堤との三百メートルの
逢曳
(
あいび
)
きは続いていたのだ。むろんずっとではない、どちらかの都合で相当な期間、お互いに姿を見ないこともあった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
水上と土堤との三百メートルの
逢曳
(
あいび
)
きは続いていたのだ。むろんずっとではない、どちらかの都合で相当な期間、お互いに姿を見ないこともあった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「あの女狐は七日ばかりまえに、桜水の若ぞうと浮気をしやあがった、記事だねを持って来たとき、ちょび髭がいなかったんで、そのまま
逢曳
(
あいび
)
き宿へしけ込んだのさ」
へちまの木
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「恥をさらすようだが、おれは二人の
逢曳
(
あいび
)
きを見た」と忠太は酒を啜ってから続けた
源蔵ヶ原
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「よういろ男」と初めに呼びかけた男が云った、「今夜は三十二号で
逢曳
(
あいび
)
きか」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「おまけにあたし、たいへんなやきもちやきよ、もしかしてあたしがお師匠さんのおかみさんで、お師匠さんがほかの女とこんな
逢曳
(
あいび
)
きなんかしたら、あたし二人とも生かしてはおかないわ」
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
逢
漢検準1級
部首:⾡
11画
曳
漢検準1級
部首:⽈
6画
“逢”で始まる語句
逢
逢着
逢瀬
逢引
逢魔
逢坂
逢坂山
逢紀
逢度
逢著