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つうせん
江州のすぐ対岸で、江州府の
大街とは絶えず
通船が通っており、また
黄文炳のような物持ちとなると、これは
洒落た自家用船で、いつも江州大城へ出向いていた。
周囲形は川の
便利にしたがふ。
船の
通路はこれを
除きて
障りをなさず、又
通船の
路印を
建て
夜の
為とす。さてこれにつゞといふ物を
簀下へならべ、
鮏の入るべきやうにくゝしおく也。
だが又セエヌ河へ出て見ると、一週間
前から
洪水で
通船が
止つた騒ぎであるに
関らず、水に
浸つた繋船
場の
河岸の
其処彼処で黒い山高帽の
群が朝早くから長い竿を取つて釣をして居る。