通俗つうぞく)” の例文
この店へは比較的英米客が寄り付くので献立表こんだてひょうにもクラブ・サンドウィッチとか、ハムエッグスとかいう通俗つうぞくな英語名前の食品が並べてあった。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
たとへば、印度いんどの三明王めうわうへんじて通俗つうぞくの三入道にふだうとなり、鳥嘴てうし迦樓羅王かろらわうへんじてお伽噺とぎばなし烏天狗からすてんぐとなつた。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
また最初さいしよから、色彩しきさいうすきはめて通俗つうぞく人間にんげんが、習慣的しふくわんてき夫婦ふうふ關係くわんけいむすぶためにつたやうにもえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これはいずれも英国の有名な某会社製のものであって、曲目は「ホーム・スイートホーム」とか「英国々歌」とか「トロイメライ」とかいう通俗つうぞくなものばかりであった。
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
〔譯〕凡そ事に眞是非しんぜひ有り、假是非かぜひ有り。假是非とは、通俗つうぞくの可否する所を謂ふ。年わかく未だ學ばずして、先づ假是非をれうし、後におよんで眞是非を得んと欲するも、亦入りやすからず。