逆竪さかだ)” の例文
切髪は乱れ逆竪さかだちて、披払はたはたひるがへ裾袂すそたもとなびかされつつただよはしげに行きつ留りつ、町の南側を辿たどり辿りて、鰐淵が住へる横町にりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さりながら今より思い合わすれば、如何いか盲目めくらへび物にじずとはいいながら、かかる危険きわまれる薬品を枕にしてくも安々とねむり得しことよと、身の毛を逆竪さかだつばかりなり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
彼はひて目をふさぎ、身のふるふをば吾と吾手に抱窘だきすくめて、恨は忘れずともいかりは忍ぶべしと、むちうたんやうにも己を制すれば、髪は逆竪さかだうごめきて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)