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退潮
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ひきしお
ふりがな文庫
“
退潮
(
ひきしお
)” の例文
しんとしてさびしい磯の
退潮
(
ひきしお
)
の
痕
(
あと
)
が日に
輝
(
ひか
)
って、小さな波が
水際
(
みぎわ
)
をもてあそんでいるらしく長い
線
(
すじ
)
が
白刃
(
しらは
)
のように光っては消えている。
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
退潮
(
ひきしお
)
で底がぐうっと洗い流されてるんだよ。」と彼は言った。「で、この水路はまあ言わば鋤で掘り出されてるようなものなのさ。」
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「むりに漕ぎ入れるには及ばぬぞ。岩に舟底を噛まれるといけない。——潮は、やがてそろそろ
退潮
(
ひきしお
)
ともなるし」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
迚
(
とて
)
も此処じゃア
死
(
しね
)
ねえから吾妻橋から飛込むから、今は
退潮
(
ひきしお
)
か
上汐
(
あげしお
)
か知らないが、潮に逆らっても吾妻橋まで来て待ってくんな、勘忍してくんな、死におくれたから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
というのは、
退潮
(
ひきしお
)
のために、簇生している樹々の下に、狭い砂地が帯のようにすでに現れていたからである。快艇はもはや恐れるには及ばなかった。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
▼ もっと見る
御最後川の岸辺に茂る
葦
(
あし
)
の枯れて、吹く潮風に騒ぐ、その根かたには
夜半
(
よわ
)
の
満汐
(
みちしお
)
に人知れず結びし氷、朝の
退潮
(
ひきしお
)
に破られて残り、ひねもす解けもえせず、夕闇に白き線を
水
(
み
)
ぎわに引く。
たき火
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
船は
退潮
(
ひきしお
)
につれてぐるりと𢌞っていて、——船首が今私の方へ向いており、——船中の唯一の灯は船室にあったのだ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
田畑ある島と知れけりあげ雲雀、これは僕の
老父
(
おやじ
)
の句であるが、山のむこうには人家があるに相違ないと僕は思うた。と見るうち
退潮
(
ひきしお
)
の
痕
(
あと
)
の日に
輝
(
ひか
)
っているところに一人の人がいるのが目についた。
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
“退潮”の意味
《名詞》
潮が引くこと。干潮。
勢力が衰えること。
(出典:Wiktionary)
退
常用漢字
小6
部首:⾡
9画
潮
常用漢字
小6
部首:⽔
15画
“退”で始まる語句
退
退屈
退治
退引
退出
退嬰
退儀
退却
退去
退散