輪数珠わじゅず)” の例文
小さなまげ鼈甲べっこうの耳こじりをちょこんとめて、手首に輪数珠わじゅずを掛けた五十格好のばばあ背後向うしろむきに坐ったのが、その総領そうりょうの娘である。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふもとへ十四五ちょうへだたつた、崖の上にある、古い、薄暗い茶店ちゃみせいこつた時、裏に鬱金木綿うこんもめんを着けたしま胴服ちゃんちゃんこを、肩衣かたぎぬのやうに着た、白髪しらがじいの、しもげた耳に輪数珠わじゅずを掛けたのが
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「さればの。」耳にかけた輪数珠わじゅずはずすと
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)