トップ
>
贖
>
つぐな
ふりがな文庫
“
贖
(
つぐな
)” の例文
人間の獣慾を
惟一
(
ゆゐいつ
)
の目的として描出するの
謂
(
いひ
)
にあらず、人間に不完全の認識あるよりして、何物かを得て之を
贖
(
つぐな
)
はんとの慾望は天地間自然の理なれば
「歌念仏」を読みて
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
その罪の
贖
(
つぐな
)
いをする間は
忙
(
せわ
)
しくてこの世を顧みる暇がなかったのだが、おまえが非常に不幸で、悲しんでいるのを見ると堪えられなくて、海の中を来たり
源氏物語:13 明石
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
こんどこそは私のしたことのすべてを
贖
(
つぐな
)
うつもりで、自分の最後の日の近づいてくるのをひたすら待ちながら
楡の家
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
部落の
老若
(
ろうにゃく
)
はことごとく、
律
(
おきて
)
通り彼を殺して、騒動の罪を
贖
(
つぐな
)
わせようとした。が、
思兼尊
(
おもいかねのみこと
)
と
手力雄尊
(
たぢからおのみこと
)
と、この二人の勢力家だけは、容易に賛同の意を示さなかった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
当初
(
はじめ
)
貴様に棄てられた為に、かう云ふ堕落をした貫一ならば、貴様の悔悟と共に俺も
速
(
すみや
)
かに心を
悛
(
あらた
)
めて、人たるの道に負ふところのこの罪を
贖
(
つぐな
)
はなけりや成らん訳だ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
安
後
(
のち
)
永楽七年に至りて自殺す。安等を
喪
(
うしな
)
いてより、南軍
大
(
おおい
)
に衰う。
黄子澄
(
こうしちょう
)
、
霊壁
(
れいへき
)
の敗を聞き、胸を
撫
(
ぶ
)
して
大慟
(
たいどう
)
して曰く、大事去る、
吾輩
(
わがはい
)
万死、国を誤るの罪を
贖
(
つぐな
)
うに足らずと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
私は生涯その罪の
贖
(
つぐな
)
いをして来ました。こうして老嬢をとおしております。いいえ、老嬢と云うよりも、婚約をしたッきりの寡婦、あの少年の寡婦として通して来たと申したほうが好いのでしょう。
寡婦
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
平次がお臺所町の富崎佐太郎浪宅を訪ね、——親の敵——といきり立つ佐太郎を
撫
(
なだ
)
めて訊くと、金森家へ三千兩の小判を返し、佐太郎の父親の罪を
贖
(
つぐな
)
つたのは、全く佐太郎の知らぬことと判りました。
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私はこうして一度は焼いてしまおうと決心しかけた此の手帳を再び自分の前にひらいて、こんどこそは私のしたことのすべてを
贖
(
つぐな
)
うつもりで、自分の最後の日の近づいてくるのをひたすら待ちながら
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
贖
漢検1級
部首:⾙
22画
“贖”を含む語句
贖罪
贖物
贖主
救贖
贖銅
御贖
相贖
贓贖司
贖償
贖宥
贖罪的
贖罪符
贖罪羊
贖罪説
贖罪金
贖面