)” の例文
あやまちして身をほろぶることなかれと教ふるに、一六一恐れみかつよろこびて家にかへり、朱符を門にし、窓に貼して、おもき物斎にこもりける。
慶応三年に辻花雪三回忌の影画合かげえあわせ「くまなきかげ」が刊行せられて、香以は自らこれに序した。巻中の香以の影画にはかみに引いた「針持つて」の句の短冊がしてある。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一六九下屋しもやの窓の紙にさと赤き光さして、あなにくや、ここにもしつるよといふ声、深き夜にはいとどすざましく、かみ一七〇生毛うぶげもことごとく聳立そばだちて、しばらくはりたり。
或るときは一〇絵に心をこらしてねぶりをさそへば、ゆめのうちに江に入りて、一一大小さばかりの魚とともに遊ぶ。むればやがて見つるままを画きてかべし、みづから呼びて夢応むおう鯉魚りぎよと名付けけり。