谷合たにあい)” の例文
ここははり別所べっしょというところの山の奥の奥。谷合たにあい洞穴ほらあなへ杉の皮をき出して、鹿の飲むほどな谷の流れを前にした山中の小舎こや
Sビルディングの裏手に当る所で、一方には大きな倉庫が立並び、道幅は自動車がやっと通れる程の狭い谷合たにあいだった。
その理由は行抜けのできる谷合たにあいは、通り物のみちに当っているからだと、南方熊楠氏に告げた者があるそうだ。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そこの森や彼処かしこ谷合たにあいあさり尽した末に、一里ばかりの山奥にある虎ヶ窟とらがいわやという岩穴に、二人の隠れ潜んでいるのを発見して、男は主人方に引渡ひきわたされ、女は実家へ連れて戻られたが
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
山品村は涸沢かれざわをはさんだ谷合たにあいの村であり、日の出がおそく日没が早い。
おごそかな渇き (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
下の牧場や、原や、谷合たにあいになっている、広い低地も、11000
百姓はそれと知らず谷合たにあいまでかゝりますと
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)