護送ごそう)” の例文
さればといって——それにグズグズ手間てまどっているまに、呂宋兵衛るそんべえぞくてんおかから道をかえて、勝頼公かつよりこうをとおく護送ごそうしてしまったら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其の中には真弓子と川股助手とを護送ごそうして来た矢口もまじっていた。天文台は苦もなく占領され、台員一同はお気の毒ながら、一時地下室に入って貰った。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
とらわれて東京に護送ごそうせられたるこそ運のつたなきものなれども、成敗せいはい兵家へいかの常にしてもとよりとがむべきにあらず、新政府においてもその罪をにくんでその人を悪まず
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
咲耶子さくやこをうばい返しに? ウム、しゃらくさいやつめら! 浜松城はままつじょう護送ごそうするまでは大事な擒人とりこ、かならずぬかりがあってはならぬぞ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其の翌日の夕方、山名国太郎は今市から護送ごそうされて来た。青年は数日の懊悩おうのうにめっきり憔悴しょうすいして、極度の神経衰弱症におちいっているらしく、簡単な訊問じんもんに対してもその答弁は案外手間がとれた。
白蛇の死 (新字新仮名) / 海野十三(著)
きょうの朝まだきに、桑名くわな在陣ざいじんする秀吉ひでよしのところへ向けて、和田呂宋兵衛わだるそんべえ護送ごそうしていこうとする勝頼かつより駕籠かごは、まだあの朱門あかもんをでて山をくだっていないようだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あとのことは日本幕府の記録が示すとおり、村人に見つけられて長崎の宗門方しゅうもんかたに渡され、やがて江戸おもて護送ごそうとなって、前後十数回、筑後守新井白石のきびしい取調べをうけたのであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)