トップ
>
調弄
>
からか
ふりがな文庫
“
調弄
(
からか
)” の例文
何でも
御贔屓
(
ごひいき
)
がひに
劇
(
しばゐ
)
を見に来たのだが、
例
(
いつも
)
の気紛れで
貞奴
(
さだやつこ
)
でも
調弄
(
からか
)
はうと思つて楽屋口を
潜
(
くゞ
)
つたらしかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
こんな事を言つて半ばは
調弄
(
からか
)
つてゐる間に、下女は、板の間に買ひ立ての焜爐や鍋などを並べて、自分の鉛筆を削るナイフを持つて玉葱の皮を剥いたりしてゐる。
胡瓜の種
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
キツチナー将軍が首相のアスキスと婦人選挙権と兵役強制法の事を論じてゐると、
其処
(
そこ
)
へ婦人の
訪問客
(
はうもんかく
)
が来て、将軍を
調弄
(
からか
)
ふ。将軍が
蟷螂
(
かまきり
)
のやうに
怫
(
むつ
)
とした顔をして
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
するともう一人の男が、やつ張り前の男に
調弄
(
からか
)
はれでもしたと見えて、
怒
(
おこ
)
つたやうにその男の名を呼びかけながら、火の消えた提灯を持つて息卷きながら追つかけて來た。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
ある時、同じ銀行の貯金掛りがかう言つて
調弄
(
からか
)
ふと、給仕は悧巧さうな、くるくるした顔をあげた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
自分は早くこちらへ返つてゐてよかつたと思ひつゝ、鳥を
調弄
(
からか
)
ひながら立つてゐた。
女の子
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
豊後守といへば、江戸市中に
棄児
(
すてご
)
があれば、屹度拾つて養育した程の慈悲深い男だつたが、それでも時々は剽軽な
悪戯
(
いたづら
)
をして、友達を
調弄
(
からか
)
ふ程の心の
余裕
(
ゆとり
)
は持つてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「受附の隱居を
調弄
(
からか
)
つて見て御覽。面白いから。」
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
で、耳を噛んだり、鼻先を押へたり、色々な
戯
(
ふざ
)
けた
振
(
ふり
)
をして桃太郎に
調弄
(
からか
)
つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
通るものを見さかひもなく
調弄
(
からか
)
つた。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「何だ。画にかいた花だったのか。ひとを
調弄
(
からか
)
うのも大概にするがいいや。」
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
剽軽な男は名高い音楽家に
調弄
(
からか
)
つた嬉しさに、鼻をくん/\言はせて喜んだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ところが、この語学と数学の達人が、音楽と来ては何一つ解らなかつたから
可笑
(
をか
)
しい。師匠のド・モルガンは自分が
風琴家
(
オルガニスト
)
であつただけ、トドハンタアが音楽に
聾
(
つんぼ
)
なのをよく
調弄
(
からか
)
つたものだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
屹度
親父
(
おやぢ
)
と叔父貴とが馴れ合つて自分を
調弄
(
からか
)
つてゐるのか、さもなければ、二人とも
何
(
な
)
にも知らない
喰
(
くら
)
ひぬけの大馬鹿者に相違ないと思つた。で、幾らか冷かし気味に
理由
(
わけ
)
を話して、訊いてみた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
青邨はいくらか
調弄
(
からか
)
はれたやうな気味で
下
(
さが
)
つて往つた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
娘は幾らか
調弄
(
からか
)
ひ気味で、平気な顔をして言つた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
調
常用漢字
小3
部首:⾔
15画
弄
常用漢字
中学
部首:⼶
7画
“調弄”で始まる語句
調弄気味