許都きょと)” の例文
西涼せいりょうの馬超が、韓遂かんすいと共に、大軍を催して、叛旗をひるがえした。都の留守をうかがって、今や刻々、許都きょとをさして進撃している……」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
従って寄手の包囲陣も、そのまま、むなしく日を送っているまに、それより前に小沛を脱出していた劉玄徳の急使は、早くも許都きょとに着いて
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「われわれが主と仰ぐは、曹丞相よりほかはない。汝らはなぜ許都きょとへ行って、丞相のおくつでも揃えないか」と、からかった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この上はぜひもありません。いったん城を捨てて、許都きょとへ走り、中央にある曹操そうそうへたのんで、時をうかがい、今日の仇を報じようではありませんか」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
の最後の作戦が、和気藹々あいあいのうちに種々検討された。——生虜るか殺すかこんどこそ呂布の始末をつけないうちは曹操は許都きょとへ退かない決心であった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
許都きょとを立って、これより汝南の劉辟りゅうへきのもとへ行くご予定だ。そこには、河北の袁紹えんしょうにしばらく身をよせていたご主君も、先に落ちのびていられるはずだから……」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さきに許都きょとへまいる折、曹操とは三つの約束をしてある。先頃から幾つかの功をたてて、よそながら彼への恩返しもしてあることだから、あとはおいとまを乞うのみだ。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
河北の広大をあわせ、遼東りょうとう遼西りょうせいからもみつぎせられ、王城の府許都きょとの街は、年々の殷賑いんしんに拍車をかけて、名実ともに今や中央の府たる偉観と規模の大を具備してきた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実は、自分が袁紹にすすめたのは、今、軽騎の精兵五千をひっさげて、間道の嶮をしのび越え、ふいに許都きょとを襲い、前後から官渡の陣を攻めようということでござった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
君を呼ぶ者は君の好き敵である許都きょと丞相じょうしょう曹操だ。——しかし、君と我と、本来なんの仇があろう。予はただご辺が袁術えんじゅつと婚姻を結ぶと聞いて、攻め下ってきたまでである。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
許都きょとに来て、まず曹操に会い、荊州討伐の任をうけ、次の日朝廷に上って、天子を拝した。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この日頃、許都きょとのほうからおびただしい兵糧が曹操の陣地へ運送されて来るという情報が入りました。将軍が兵をひいて城外へ出られれば、その糧道も併せて断つことができる。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後ろにはそうした馬超ばちょう韓遂かんすいの輩があり、前には玄徳、劉琦りゅうきの一脅威をひかえ、しかも許都きょとの中府を遠く出て、江上山野に転戦していることは——われら兵家の者が心して見れば
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その頃、魏王宮を中心とし、許都きょと鄴都ぎょうとの府は、異様な恐慌におののいていた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
美しい一艘の官船が檣頭しょうとう許都きょと政府の旗をかかげて、揚子江ようすこうを下ってきた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)