許諾きょだく)” の例文
無論奥さんの許諾きょだくも必要ですから、私は最初何もかも隠さず打ち明けて、奥さんに頼んだのです。ところが奥さんはせといいました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
第五十三条 両議院ノ議員ハ現行犯罪又ハ内乱外患がいかんかかわル罪ヲ除クほか会期中いん許諾きょだくナクシテ逮捕セラルヽコトナシ
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
許諾きょだくこそ与えないけれども、与八のすことに相当の諒解を持っていることには相違ありますまい。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この上は鉄道員の許諾きょだくを得、少しの間線路を通行させて貰わねばならぬ。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
大王殿下の許諾きょだく そこで総理大臣の大王は
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
第二十五条 日本臣民ハ法律ニ定メタル場合ヲ除クほか許諾きょだくナクシテ住所ニ侵入セラレ及捜査セラルヽコトナシ
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
いやしくも二者の許諾きょだくを得ざるものは、どこまでも一家の批判に過ぎない。それが当然である。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼は一昨日おとといの午後始めて第一の収縮を感じた。芝居へ行く許諾きょだくを彼から得たお延が、階子段はしごだんを下へ降りて行った拍子ひょうしに起ったこの経験は、彼にとって全然新らしいものではなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一応考えてみますとげればいいのに、あの弁舌に胡魔化されて、即席そくせき許諾きょだくしたものだから、あとからおっかさんが泣きついても、自分が談判に行っても役に立たなかったと非常に残念がった。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)