言挙ことあげ)” の例文
清原 人の世の言挙ことあげがそう名付けるならば、それもよかろう。……石ノ上、僕は白状する。……僕は、……僕はその恋を知りはじめたのだ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
読んで独り自ら評価して居る。ただこの評価は思想を同じゅうして居ないものの評価で、天晴あっぱれ批評と称して打出して言挙ことあげすべきものでないばかりだ。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
千万ちよろづいくさなりとも言挙ことあげせずりてぬべきをのことぞおもふ 〔巻六・九七二〕 高橋虫麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ひたおもて君がすぐなる言挙ことあげききいさぎよし心にとほる (加納子爵)
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
何くれと世に言挙ことあげはせしかども物言はぬ身と今ぞなりなん
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
言挙ことあげせられず
なにかわれ言挙ことあげはせん天地の足りそなはれるなかに死ぬとて
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
世に憂ふ人が言挙ことあげまつぶさに言ふことはよし多く私
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)