トップ
>
覘
>
ねらい
ふりがな文庫
“
覘
(
ねらい
)” の例文
今までにどこか罪な想像を
逞
(
たく
)
ましくしたという
疚
(
や
)
ましさもあり、また
面
(
めん
)
と向ってすぐとは云い
悪
(
にく
)
い皮肉な
覘
(
ねらい
)
を付けた自覚もあるので
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
スミス中尉は、たまりかねてか、ピストルを右手にもちなおすと、杉田の背後めがけて
覘
(
ねらい
)
をさだめた。
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
吾輩が驚ろいて、からだの泥を払っている
間
(
ま
)
に黒は垣根を
潜
(
くぐ
)
って、どこかへ姿を隠した。大方西川の
牛
(
ぎゅう
)
を
覘
(
ねらい
)
に行ったものであろう。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
細君は
覚束
(
おぼつか
)
なげに鋏を取りあげて、例の蠅の眼玉の所へ自分の眼玉を付けてしきりに
覘
(
ねらい
)
をつけている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「本当に殺されるのか」とは、自分の耳を信用しかねた彼が、
傍
(
かたわら
)
に立つ
同囚
(
どうしゅう
)
に問うた言葉である。……白い
手帛
(
ハンケチ
)
を合図に振った。兵士は
覘
(
ねらい
)
を定めた
銃口
(
つつぐち
)
を下に伏せた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
死ぬために飛び込んだのである。彼らの足が
壕底
(
ごうてい
)
に着くや
否
(
いな
)
や
穹窖
(
きゅうこう
)
より
覘
(
ねらい
)
を定めて打ち出す機関砲は、
杖
(
つえ
)
を引いて竹垣の側面を走らす時の音がして
瞬
(
またた
)
く
間
(
ま
)
に彼らを射殺した。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
隙
(
すき
)
があったら飛び込もうとして、この間から
覘
(
ねらい
)
を付けていた彼は、何時まで待っても際限がないとでも思ったものか、機会のあるなしに
頓着
(
とんじゃく
)
なく、ついに健三に
肉薄
(
にくはく
)
し始めた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
険呑
(
けんのん
)
だと八合目あたりから下を見て
覘
(
ねらい
)
をつける。暗くて何もよく見えぬ。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
明るいうちから、あの
毛布
(
けっと
)
、あの毛布と
御題目
(
おだいもく
)
のように見詰めて
覘
(
ねらい
)
をつけて来たせいで、日が暮れて、突然の眼には毛布だか何だか分らないところを、自分だけにはちゃんと赤毛布に見えるんだろう。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
覘
漢検1級
部首:⾒
12画
“覘”を含む語句
差覘
明巣覘
絵覘
覘眼鏡
附覘