西洋手拭タウエル)” の例文
三四郎は此男に見られた時、何となくきまりがわるかつた。ほんでも読んで気を紛らかさうと思つて、革鞄かばんけて見ると、昨夜ゆふべ西洋手拭タウエルが、うへの所にぎつしりつまつてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三四郎はついと立つて、革鞄かばんなかから、キヤラコの襯衣しやつ洋袴下づぼんしたを出して、それを素肌すはだへ着けて、其上から紺の兵児帯へこおびめた。それから西洋手拭タウエル二筋ふたすぢ持つたまゝ蚊帳かやなかへ這入つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三四郎はついと立って、鞄の中から、キャラコのシャツとズボン下を出して、それを素肌すはだへ着けて、その上からこん兵児帯へこおびを締めた。それから西洋手拭タウエル二筋ふたすじ持ったまま蚊帳の中へはいった。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
三四郎は西洋手拭タウエルひろげて、これを自分の領分に二枚続きに長く敷いて、其上に細長く寐た。其晩は三四郎の手も足も此幅の狭い西洋手拭タウエルそとには一寸もなかつた。女とは一言ひとことくちを利かなかつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)