“裙(もすそ)” の例文
女は年のころ十七、八で、翠(あお)い袖、紅(あか)い裙(もすそ)の衣(きもの)を着て、いかにもしなやかな姿で西をさして徐(しず)かに行き過ぎました。
「舟の中の女は、はっきりとその顔は見なかったが、裙(もすそ)の下の二本の足は、人間の世にはないものだったよ。」
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
谿河(たにがわ)の水に枕なぞ流るるように、ちょろちょろと出て、山伏の裙(もすそ)に絡(まつ)わると、あたかも毒茸が傘の轆轤(ろくろ)を弾(はじ)いて、驚破す、取て噛(か)もう、とあるべき処を、——
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
落霞紅抹万松裙(落霞紅に抹(は)く万松の裙(もすそ))
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
暗くなる……薄暗い中に、颯(さっ)と風に煽(あお)られて、媚(なま)めかしい婦(おんな)の裙(もすそ)が燃えるのかと思う、あからさまな、真白(まっしろ)な大きな腹が、蒼(あお)ざめた顔して、宙に倒(さかさま)にぶら下りました。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)