蛇矛じゃぼこ)” の例文
弓を捨てると、馬超は、あかがねづくりの八角棒を持って、張飛を待った。張飛の蛇矛じゃぼこは、彼の猿臂えんびを加えて、二丈あまりも前へ伸びた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張大帥はすなわち燕人えんじん張翼徳ちょうよくとくの後裔で、彼が一度丈八の蛇矛じゃぼこを支えて立つと、万夫不当ばんぷふとうの勇がある。誰だって彼に抵抗することは出来ない
風波 (新字新仮名) / 魯迅(著)
早速、近郷の鍛冶工かじこうをよんできて、張飛は、一丈何尺という蛇矛じゃぼこってくれと注文し、関羽は重さ何十斤という偃月刀えんげつとうきたえさせた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、なおこまごまと、前後のいきさつを物語ると、張飛は何思ったか、にわかに城中の部下へ陣触れを命じ、自身も一丈八尺の蛇矛じゃぼこをたずさえて
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長坂橋のほとりまで、趙雲を追いかけて行ったところ、敵の張飛という者が、ただ一騎で加勢に駆けつけ、丈八の蛇矛じゃぼこをもって、八めんにふせぎ立て、ついに趙雲を
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人々が、振向いてみると、それは一丈八尺の蛇矛じゃぼこを突っ立てて玄徳のそばに付いていた張飛であった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あなやと思うまに、丈八の蛇矛じゃぼこ、黒鹿毛の逸足、燦々さんさんたる甲盔こうがいが、流星のごとく此方へ飛んできた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おめきながら割って入り、先ごろたせたばかりの丈余の蛇矛じゃぼこ——牙形きばがた大矛おおぼこを先につけた長柄を舞わして、賊将程遠志のかぶとの鉢金から馬の背骨に至るまで斬り下げた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と云ったとたんに、彼の一振した一丈八尺の蛇矛じゃぼこは、周善の首を遠くへ飛ばしていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、早くも関索かんさく馬岱ばたいなどの蜀将の若手が、龍槍、蛇矛じゃぼこふるって馳け向ってきた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、一丈余りの蛇矛じゃぼこを舞わして、りゅうりゅうと打ってかかった男があった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
離してくれ、董卓の素ッ首を、この蛇矛じゃぼこで一太刀にかッ飛ばして見せるから
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蛇矛じゃぼこ横にふるって一颯の雷光を宙にえがいた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)