蘇士スエズ)” の例文
蘇士スエズ運河 砂漠は両岸につらなり、暑熱を送る風が去来する。蘇士スエズに今や船は碇泊しようとし、国境の山々は夕陽に紅く照りはえている。)
西航日録 (新字新仮名) / 井上円了(著)
彼は前年蘇士スエズ運河の船中で、船房の中まで舞い込む砂あらしに駭いたことがある。武蔵野の土あらしも、やわかおとる可き。遠方から見れば火事の煙。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
三月二十一日 午後三時、蘇士スエズ入港。陸路カイロに到りメトロポリタン・ホテル一泊。
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
蘇士スエズから上陸して蒸気車に乗て、埃及エジプトのカイロ府につい二晩ふたばんばかり泊り、それから地中海に出て、其処そこから又船に乗て仏蘭西フランス馬塞耳マルセイユ、ソコデ蒸汽車に乗て里昂リオンに一泊、巴里パリに着て滞在およそ二十日
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
船は亜丁アデンに入港してようやく山をみ、航路は蘇士スエズをすぎて暑熱はおさまる。旅の身はなお地中海にあるも、夢のなかではすでに欧米の都市をたずねる。
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
見物自由の中又不自由夫れは扨居さておき、私がこの前亜米利加アメリカいったときには、カリフ※ルニヤ地方にマダ鉄道がなかったから、勿論もちろん鉄道を見たことがない、けれども今度は蘇士スエズあがって始めて鉄道に乗り
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
蘇士晩望(蘇士スエズ晩望)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)