くゆり)” の例文
この時の苦しさは、後の別の時に増したり。後の別の時には、媼は泣きつれど、何事をもいはざりき。既にしきゐを出でしとき、媼走り入りて、くゆりに半ば黒みたる聖母の像を、扉より剥ぎ取りて贈りぬ。
かのしき越歴機えれきの夢は天鵝絨びろうどくゆりにまじり
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
もの甘きはな桅子くちなしくゆりしてふりもそそげば
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
くゆりいみじきメロデアのにほひのなかに
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
散るとなく、心の熱も静寂じやうじやくくゆりに沈み
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
はた、さまざまのあこがれの吐息といきくゆり
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
つよくゆりのなやましさ、なまりむろ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)