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荒武者
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あらむしゃ
「ウーム、そうか、北国一の
荒武者といわれた、
佐久間盛政もそれを
食いとめることができなかったか……」
目鼻立尋常、
髭はなく、どちらかといえば
面長で、
眼尻の
釣った、きりっとした
容貌の
人でした。ナニ
歴史に八十
人力の
荒武者と
記してある……ホホホホ
良人はそんな
怪物ではございません。
馬上から十四、五人の武士に、はげしく
下知をしたふたりの武士、これなん、
伊那丸の
幕下でも、
荒武者の
双龍といわれている
加賀見忍剣と
巽小文治のふたり。
と
小太刀をぬいた
伊那丸は、その
荒武者のまッただなかへ、運にまかせて、斬りこんだ。