“花咲(はなさ)” の例文
寢息(ねいき)もやがて夜着(よぎ)の襟(えり)に白(しろ)く花咲(はなさ)くであらう、これが草津(くさつ)の常(つね)の夜(よる)なのである。けれども馴(な)れては何物(なにもの)も懷(なつか)しい、吹雪(ふゞき)よ、遠慮(ゑんりよ)なく私(わたし)の顏(かほ)を撫(な)でゝゆけ!
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
十八に家出(いえで)をしたまま、いまだに行方(ゆくえ)も知(し)れない伜(せがれ)千吉(きち)の不甲斐(ふがい)なさは、思(おも)いだす度毎(たびごと)にお岸(きし)が涙(なみだ)の種(たね)ではあったが、踏(ふ)まれた草(くさ)にも花咲(はなさ)くたとえの文字通(もじどお)り
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)