トップ
>
芒原
>
すすきはら
ふりがな文庫
“
芒原
(
すすきはら
)” の例文
引越した当時は、私の家の裏手はまだ一めんの
芒原
(
すすきはら
)
になっていて、大きな
溝
(
みぞ
)
を隔てて、すぐその向うが華族のお屋敷になっていた。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「まだ日のあるうちで仕合わせじゃ。暮れてから
芒原
(
すすきはら
)
であのような美しい女子に出逢うたら、狐が化けたのじゃと思わるるかも知れぬ。」
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そこへ、切った犬の数よりも、はるかに多い野犬の群れが、あるいは
芒原
(
すすきはら
)
の向こうから、あるいは
築土
(
ついじ
)
のこわれをぬけて、続々として、つどって来る。——
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「もうよかろう」と心でいって、
四辺
(
あたり
)
を
窃
(
ひそ
)
かに見廻した時には、追分宿は山に隠れ、
燈
(
ともしび
)
一つ見えなかった。おおかた二里は離れたであろう。左は茫々たる
芒原
(
すすきはら
)
。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼らの一行が測量の途次
茫々
(
ぼうぼう
)
たる
芒原
(
すすきはら
)
の中で、突然
面
(
おもて
)
も向けられないほどの風に出会った時、彼らは
四
(
よ
)
つ
這
(
ばい
)
になって、つい近所の密林の中へ逃げ込んだところが
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
その晩、相手の男と別れてから、王四は途中の
芒原
(
すすきはら
)
で寝てしまった。事これだけなら、その一
睡
(
すい
)
は無上天国そのものだった。ところが折ふし通りかかった
猟人
(
かりゅうど
)
がある。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
運転手の
脊
(
せ
)
なかが見えた。それから彼は透明な
窓硝子
(
まどガラス
)
に顔を持って行った。窓の外はもうすっかり穂を出している
芒原
(
すすきはら
)
だった。ちょうど一台の自動車がすれちがって行った。
ルウベンスの偽画
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
彼は或大学生と
芒原
(
すすきはら
)
の中を歩いてゐた。
或阿呆の一生
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
芒
漢検1級
部首:⾋
6画
原
常用漢字
小2
部首:⼚
10画
“芒”で始まる語句
芒
芒叢
芒刺
芒鞋
芒野
芒蘭
芒尾花
芒蕩山
芒売
芒屨