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色身
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しきしん
姫の
俤びとに貸すための衣に描いた
絵様は、そのまま曼陀羅の
相を具えていたにしても、姫はその中に、唯一人の
色身の幻を描いたに過ぎなかった。
おん
主、大いなる
御威光、大いなる
御威勢を以て
天下り給い、
土埃になりたる人々の
色身を、もとの
霊魂に
併せてよみ返し給い、善人は天上の
快楽を受け
やがて
金色の雲気は、次第に凝り成して、照り充ちた
色身——
現し
世の人とも見えぬ尊い姿が
顕れた。
ここに「不思議」の
色身は夢幻の
衣を
擲ちぬ。