脇屋わきや)” の例文
明和めいわ九年(十一月改元「安永」となる)二月中旬の或る日、——殿町にある脇屋わきや代二郎の屋敷へ、除村久良馬よけむらくらまが訪ねて来た。
初夜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
脇屋わきや殿のお顔を、ちょっとこれへおかしいただきとうぞんずる。せっかく、お遊びの中ではあれど、すておけぬ火急な大事がおこりましたので」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
脇屋わきやの罪にくらべて五十歩百歩でない、外交機密をもらした奴の方が余程の重罪なるに、その罪の重い方はうままぬかれて、何でもない親類に文通した者は首を取られたこそ気の毒ではないか
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ただ遺憾いかんなるは脇屋わきや某が屠腹とふくを命ぜられたる事を聞き、かかる暴政ぼうせいの下にありては何時いついかなる嫌疑けんぎをうけて首をられんも知れずと思い、その時筐中きょうちゅうおきたる書類しょるい大抵たいてい焼捨やきすてました
直義方の桃井直常や斯波しば、石堂、上杉らの党は、そのご残兵を集めて、延福寺に幽閉ゆうへい中の直義の身を奪回しようと計っているし、宮方の新田義宗、義興よしおき脇屋わきや義治などの軍は
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぐに脇屋わきやを幕府の城中で捕縛して仕舞しまった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
脇屋わきや新兵衛とよぶ、大高源吾。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)